研究課題
骨組織は再生能力の強い組織であるが、骨再生の分子メカニズムに関しては明らかにされていない点が多く残されている。そのため、本研究では、我々が現在までに蓄積してきた研究成果を有機的に活用して、骨再生過程における細胞・分子間相互作用を解析して、骨再生の統合的理解を深めることを目的とする。そして、平成19年度には以下の研究成果を得た。1)我々はCCN familyに属するCCN3はBMP-2及びNotchと細胞外で結合し、BMP-2のシグナル伝達を抑制し、Notchシグナルを促進することにより、骨芽細胞分化を抑制することを報告した。今年度は、CCN3トランスジェニック(Tg)マウス及びCCN3ノックアウトマウスにおける骨再生過程を解析中である。2)Notchの細胞内ドメイン(NICD)を骨芽細胞で特異的に発現するTgマウスを作製した。その結果、これらのマウスでは骨形成の低下により、骨量が減少している可能性を示唆する所見が得られた。現在、これらのマウスを用いて骨が産生する全身性因子を解析中である。3)ヒト口腔癌の顎骨浸潤過程では、癌・骨境界部の線維芽細胞が重要な役割を担っていることを明らかにした。この過程で、口腔癌細胞が線維芽細胞に作用して、線維芽細胞のIL-6産生を促進し、周囲の線維芽細胞のRANKL発現を上昇させて、破骨細胞生骨吸収が亢進することも明らかにした。
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