研究課題
垂直性歯根破折歯の接着再植を想定し、接着材料の選択と長期接着耐久性について評価した。接着システムとして、Superbond C&B(サンメディカル)、MultiBond、MultiBond II(トクヤマデンタル)を用いた。ヒト歯根象牙質を歯軸方向に半切し、接着後に一定期間(1日、1か月、6か月、1年)水中浸積した後、微小引張り接着試験を行った。その結果、材料間で接着耐久性に違いが認められた。歯根破折の診断へのOptical Coherence Tomography(OCT)の有用性を検討した。ヒト抜去歯歯根の破折をOCTあるいは実体顕微鏡、目視で診断したところ、OCTによる検出能力は目視よりも優れていた。OCTは根表から内部へ進展している破折線の広がりや、根表に達していない内部からの破折線を評価できる可能性があると考えられた。種々のレジンコアとクラウンにおける歯冠修復時の歯根象牙質に負荷される応力分布状態について光弾性法を用いて解析を行った。支台歯根部の応力を緩和させる上で築造体と補綴物の組み合わせが極めて重要であることが明らかとなり、弾性係数が高い築造体の場合には弾性係数の高い補綴物を、弾性係数が低い築造体の場合には弾性係数の低い補綴物の組み合わせを用いることにより、応力集中を緩和することが明らかとなった。根管内から荷重したときの根管表面の歪みと破折荷重について接着性根管充填シーラーを用いて検討したところ、歪みは小さいものの有意差は認められなかった。この歯のコロナルリーケージについては、リーケージは小さいものの有意差は認められなかった。さらに、根管内からの荷重を大きくして変形挙動に違いがあるかを検討している.また3次元CAMを用いて牛歯より規格化した根管の断面が円形の擬似歯根作製を試みた。
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