研究課題/領域番号 |
19209067
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松田 ひとみ 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80173847)
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研究分担者 |
久野 譜也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70242021)
檜澤 伸之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00301896)
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キーワード | 高齢者 / 楽しい会話 / 自律神経系 / パワースペクトル分析 / 昼寝 |
研究概要 |
今年度は、最終年度として高齢者の生活リズムの中で特に影響要因となる社会的関係について明らかにするための調査を行った。さらに、夜間の睡眠の質の低下している高齢者を対象として、昼寝習慣と夜間睡眠の関係明らかにすることを目的とした。北海道と関東、沖縄の高齢者を対象として生活リズムに対する聞取り調査とアクティウォッチおよびHRV等を用いた測定を行った。解析の結果、以下のような結論が得られた。 1.夜間睡眠と会話との関係 昼間の会話による自律神経系の変動をHRVパワースペクトル分析により、夜間の睡眠効率、日常生活内容を比較したところ、次のような特徴が見出された。(1)能動的に語る「楽しい会話」は、自律神経系の活動が活発になり、話し終わった後に満足感やリラックス感を得ることができ、副交感神経の活動を活性化させる。(2)「楽しい会話」自律神経系の変化は入眠過程と類似し、不眠を抱える高齢者への看護ケアのアプローチの方策の一つとしての可能性が考えられた。 2.昼間睡眠の夜間睡眠を補完する効果 昼寝は、所要時間が30分未満と30分以上に分けて分析することができた。(1)30分未満は、夜間睡眠の質を良好に維持していると捉えられた。(2)30分以上は、前日の夜間睡眠の質の低下を補う意味があると捉えられた。(3)30分以上は、就床時刻と昼間睡眠時間に相関関係があり、30分未満を目標に調整することで、夜間睡眠時間の短縮を防ぎ、前日の夜間睡眠による翌日の昼間への影響を少なくすることができると考えられた。
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