研究課題
最終年度の2010年度は、「生業知」「関係知」の2研究ユニットから2研究班の分担者と協力者がそれぞれ30日間程度のフィールドワークを実施したほか、国内および国際学会での発表、国際ワークショップの開催、国内研究会、成果の出版などの活動をおこなった。生業知研究ユニット:農業に関する在来知の生成に関して、エンセーテの品種多様性に関する知の生成、有畜農業における牛耕技術と科学知との対応について、エチオピア南部諸民族州とオロミヤ州において最終的な現地調査を実施した。生物多様性班の活動として、2010年10月に、京都においてProblems of Seed,or Seeds of problem in African Agro-biodiversityと題して、国際ワークショップを開催した。ものつくり班の活動として、2011年3月に国際フォーラムを企画したが、震災のため海外の参加者が欠席し、ポスター発表のみプレ国際フォーラムとして実施した。関係知研究ユニット:昨年にひき続きエチオピア固有の在来宗教組織(シダマ)のポジティブな宗教実践について現地調査を実施した。最終年度は、成果のとりまとめと発表を主として思惟知ユニットの活動は実施しなかった。全体成果のとりまとめと発表としては、2010年5月には、第47回日本アフリカ学会学術大会において、本研究課題の成果を4題のポスターとして公表した。2010年2月には、来日中のエチオピアの農業研究関係者を招いて、エチオピアにおける農業技術普及と在来知に関する国際ワークショップを開催した。また、研究分担者、連携研究者および研究協力者計4人が本研究計画の成果をあいついで単著として出版した。研究成果の社会還元をめざして、滋賀県大津市立小松小学校での国際理解授業や、京都市内小学校での講演の企画に研究代表者が従事した。また、一般市民向け公開講座(京都大学アフリカ地域研究資料センター主催)や、調査対象国邦人コミュニティーの集会においても、研究代表者が本研究計画の成果をわかりやすく話す機会をもった。
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巻: (印刷中)
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