研究課題/領域番号 |
19251004
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 勇 京都大学, 東南アジア研究所, 名誉教授 (80093334)
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研究分担者 |
阿部 健一 京都大学, 地域研究総合情報センター, 准教授 (80222644)
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 人文社会学部, 准教授 (90336701)
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20324676)
市川 昌広 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (80390706)
竹田 晋也 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (90212026)
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キーワード | 伝統技術 / 生態資源 / 稀少資源 / ワシントン条約 |
研究概要 |
本研究は大きく(1)稀少資源の変遷と(2)伝統的技術体系の現状調査と保全をテーマとしている。本年度は(1)に関して、山田が沈香、赤嶺はナマコ、長津はマグロ、市川はツバメの巣に焦点を当て調査・研究を行った。これらの調査ではいずれの資源も稀少化が進んでいることが判明した。しかし、稀少化への対応は生物種によって異なっていた。沈香やツバメの巣は植林や繁殖地の整備など人為的な介入によって市場経済に対応する動きがみられた。一方、ナマコやマグロは養殖技術が確立されておらず、持続的利用に向けた国際的な制度設計が必要であることが判明した。(2)に関しては、阿部がコーヒー、竹田が焼畑、平田が牧畜、鈴木が木材に焦点を当て調査・研究に従事した。阿部や平田の研究では、伝統的な技術に焦点が当てられ、竹田、鈴木は保全に関する面から研究を行った。阿部の研究ではコーヒーの伝統的な生産・加工技術を国際的な市場において付加価値に転化させる方法が議論された。平田の研究では、搾乳・ミルク生産技術の地理的分布と環境保全政策が牧畜に及ぼす影響が明らかにされた。竹田は焼畑地における植生の回復に関する調査を行った。鈴木は木材の国際的な流通構造に関する調査を行った。 上記、本年度の調査・研究で判明したのは、いずれの資源においてもグローバリズムの拡大と共に稀少性が高まっているということであった。また、資源の属性によって市場メカニズムに対応できるタイプ(沈香、ツバメの巣、コーヒー)と、対応できないタイプ(ナマコ、マグロ、牧畜、焼畑、木材)に分けられることも明らかになった。
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