研究概要 |
本研究はユダヤ教,キリスト教,イスラム教における一神観につき,比較宗教史的観点から探求するものである。以下の四つの側面から実証的総合研究を行う。 (1)古代ユダヤ教における一神教成立の解明。北イスラエルの都市遺跡の発掘調査を実施し、カナアン時代からイスラエル時代に至る文化的変遷を解明し、古代ユダヤ教成立を実証的に明らかにする。 (2)デカポリス地方に残るユダヤ教およびキリスト教、さらに周辺の遊牧民社会の残した考古資料と文献資料の調査に基づき、イスラム教成立以前のアラビア半島の神観の諸相を明らかにする。 (3)西アジアに展開した初期キリスト教の世界観の成立経緯を宗教史的に解明する。 (4)古代メソポタミア、古代エジプト、さらにインド、中国、日本などにみられる単一神性論の探求を進め、「多神教対一神教」という理解の枠組み自体を再検討する。
|