研究の対象となるバイヨン寺院、プラサート・スープラ遺跡は、いずれもアンコール時代における都市の中心に位置し、往時の都市設計を考察する上で重要な遺構である。本研究は、アンコール遺跡群における発掘調査から出土した貿易陶磁を中心とした出土遺物の分析をもとにして、(1)東南アジア諸国に通用する精度の高い考古学的基準資料を構築し、(2)これに基づきアンコール遺跡群における空間活用がどのように展開し廃絶され、現在に至ったのかという過程を明らかにすることである。更には、往時のアンコール遺跡群の都市空間の再現に向けての見通しを得ることも重要な課題としている。
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