研究課題/領域番号 |
19251009
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
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研究分担者 |
舘野 和己 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70171725)
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (60273827)
伊藤 敏雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00184672)
小方 登 京都大学, 大学院・人間・環境科学研究科, 准教授 (30160740)
渡邊 三津子 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (10423245)
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キーワード | 高解像度衛星画像 / シルクロード / 古灌漑水路 / 耕地跡の平面パターン / 黒河下流域 / 放棄時期 / 米蘭遺跡 / 紅柳包 |
研究概要 |
・平成19年6月と同20年2月に、北京を訪問して北京人民大学魏堅教授および考古研究所(北京)の斎烏雲準研究員と内モンゴル西部エチナ(以下,エズネ)地域の研究推進方法について打合せを実施した。 ・平成19年8月に、小方准教授および研究協力者1名が、中国側メンバー4名と共にエズネ地域の卅井遺跡などの調査を実施し、同遺跡の立地環境などを初めて明らかにした。 ・エズネ地域およびタリム盆地などのQuickBird衛星写真を購入し、灌漑水路跡および耕地の形状などについて判読を進めた。その結果、エズネ地域では、西夏・元代のものと推定される区域には、(1)平面パターンが「田」の字型に近い形状を示す耕地跡が主要な灌漑水路跡付近に多く残存すること、(2)(1)の耕地跡では、各区画一辺の長さが、特定数値の整数倍を示す傾向は認められなかった。このことから、「時代による尺度の違い」が適用しにくいことを示唆された。(3)一部には、「蜂の巣」状の土地パターンを示す部分が存在することが、初めて明らかとなった。用途・時代などは、今後の課題であり、現地調査の結果に期待したい。(4)漢代から魏・晋期までとされるK710囲郭と規模・形状がほぼ一致する囲郭(仮称:k710_p2)が緑城囲郭の東北東約9km付近に存在することが初めて明らかとなった。このことから、その囲郭付近の耕地跡が漢代から魏・晋期までのものである可能性が示唆された。 ・米蘭遺跡では、QuickBird衛星写真の判読により、(1)灌漑水路網は放射状に配置され、最大で5段階に細分(分流)されていること、(2)灌漑範囲下流域では、紅柳包の規模が明瞭に異なる区域が異なる灌漑水路沿いに並存し、放棄された時期が異なる可能性が高いことが判明した。 ・上記の成果を日本沙漠学会他の学会で発表した。また,タリム盆地の農業実態についても情報を収集した。
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