(1)研究の目的 東アジア(東北アジアと東南アジアを含む)の発展はめざましく、この発展を背景に「東アジア共同体」構想も生じている。しかしながら注目されているのは主には大都市・首座都市(圏)であり、地方社会は十分に視野にない。本来、東アジアの地域的特性は、広大な地方社会を内包し、多様な地方文化が息づいていることである。多様な地方社会に立脚した社会発展なしには、「東アジア共同体」も実現できないから、地方社会の解明を強化し、発展させる必要がある。 本研究は、以上の問題意識にもとづいて「地方的世界」に焦点をあてる。この「地方的世界」とは、地方都市(町)-周辺農山漁村関係から成り立つ地方社会である。この「地方的世界」の原理や伝統そして動態を実証的に解明することを目的にしている。同時に、21世紀の「地方的世界」の豊かで持続可能な発展の条件を示すことを目指している。
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