研究課題/領域番号 |
19252005
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片山 裕 神戸大学, 国際協力研究科, 講師 (10144403)
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研究分担者 |
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40092241)
清水 展 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70126085)
中野 聡 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (00227852)
リヴェラ テマリオ 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70338284)
アビナーレス パトリシオ 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60314267)
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キーワード | オーラルヒストリー / フィリピン政治 / マルコス政権 / テクノクラート / テクノクラシー / 開発体制 |
研究概要 |
最終年度の本年は、インタビューのフォローアップだけでなく、トランスクリプトの編集作業、二人のテクノクラートから寄贈を受けた個人文書のデジタル化作業の完成、そして各種データベースの仕上げを行い、成果を関係者に報告するためのシンポジウムをフィリピン大学で開催した。本年度のインタビュー:Virata元首相(迫加、1回)、元財務大臣Manuel Alba氏(2回)、元中央銀行総裁、予算大臣Jaime Laya氏(2回)、元大統領経済特別顧問Placido Mapa氏、元居住環境相副大臣Conrado "Jolly" Benitez氏、元フィリピン開発アカデミー副総裁Horacio "Boy" Morales Jr.氏、元情報大臣Francisco "Kit" Tatad氏、ジャーナリストAmando Doronila氏(各1回)。 編集作業はフィリピン大学ディリマン校社会学科のラウラ・サムソン教授が中心となって行い、被インタビュー者に送付しレビューを受けた。Virata元首相からマルコス大統領夫妻について言及した部分等を削除するか長期間「封印」したいとの申し出があった。他の被インタビュー者から今のところ同様の申し出はない。 Sixto Roxas氏から寄贈を受けた個人文書は、フィリピン大学中央図書館主席司書のサリー・アルランテ氏のチームによって全てデジタル化とインデックス作成が終了し、既にフィリピン大学のコンピュータにUploadされており、一般公開(アクセス許可)は近々実施する予定である。これと同時にArmando Fabella氏の遺族から許可の出た膨大な個人文書のデジタル化もアルランテ氏のチームによって完成した。この二つの文書はマカパガル期からラモス期に至るフィリピンの経済政策研究にとって必読資料になるとの評価を既に専門家から受けている。 2月に開催したシンポジウムにおける本プロジェクトへの評価は思いがけないほど高く、フィリピン大学政治学科名誉教授のフェリペ・ミランダ教授は「画期的なプロジェクトであり、本来ならフィリピン側のイニシャティブ、資金でなされるべきであった。長らく望みながら実施できなかったがJSPSのプロジェクトはそれを実現してくれた、心から感謝したい」と冒頭発言した。
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