研究課題/領域番号 |
19252006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池野 旬 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40293930)
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研究分担者 |
島田 周平 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
池上 甲一 近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)
上田 元 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (10241514)
武内 進一 日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, アフリカ地域研究グループ長 (60450459)
高根 務 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (10450470)
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キーワード | アフリカ / 食糧安全保障 / 就業構造 / 農村変容 / 共有資源 / タンザニア / ザンビア / 東南部アフリカ |
研究概要 |
2年度目である本年度の最重要な課題は、東南部アフリカ農村における食糧確保と生業展開を調査するに適切な対象地として昨年度に選定した候補地において、現地調査を行うことであった。第2四半期から第3四半期にかけて、主要な調査対象国であるタンザニアの北部高地、もう1つの主要な調査対象国であるザンビアでは首都ルサカから北に80kmほどに位置する都市向け蔬菜生産地域、ルワンダにおいては2箇所の農村において、現地調査を実施した。また、研究代表者が第4四半期に、食糧問題、生業展開の季節変動を把握するため、再度タンザニア北部高地を現地調査した。 また、アフリカの食糧問題や農村社会経済変容に関わる文献研究のための読書会を、関心のある大学院生の参加のもとに随時開催した。たとえば世界銀行『世界開発報告2008-開発のために農業-』、小野塚知二・沼尻晃伸編著『大塚久雄「共同体の基礎理論」を読み直す』等の文献も素材として、東南部アフリカ農村を幅広い分析視角から捉えるための意見交換を積極的に行った。 第4四半期には本年度の現地調査の結果を話し合い、次年度以降の調査研究方針を打ち合わせる研究会を開催した。現地調査から判断して、1990年代に比べて2000年代には天候不順による農産物の不作の頻度が高まっていることが推定されると報告された。これに対して、輸出を主導してきた換金作物生産が停滞しているタンザニアと、銅の国際価格の高騰により経済全般が上向いているザンビアでは、国家レベルならびに農村社会レベルで対応が相違する可能性があり、その点に注目しながら次年度以降に現地調査を継続することが確認された。
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