研究課題
総延長1100kmにわたる北アナトリア断層は、20世紀には活動的な断層セグメントが西方に移動しながら地震を断続的に発生させており、最近では1999年にイズミット地震、デュズジェ地震を発生させた。次の地震は、イズミット地震の震源域の西部延長の海域に想定されている。本研究では、まず、地震活動を詳細にモニターし、次の大地震へ向けての地震活動の推移を把握し、次に、アスペリティー領域を電磁探査から高比抵抗異常として、GPS観測から固着域としてそれぞれ特定することによって、アスペリティー分布を解明することを目的とする。特に今年度は北アナトリア断層西部において、陸上および海底における電磁気観測(MT)を実施した。海底観測では、東京工業大学の機材1式を作成し、海洋研究開発機構の既存の機材4式とともに使用することによって、マルマラ海の海底に想定されている断層を横切る2測線において全7観測点で観測を実施することができた。現在データは解析中である。陸上では、広帯域MT観測装置および長周期MT観測装置を用いて、海域の測線の延長上に観測点を配置している。これによって、陸域から海域を通して北アナトリア断層の地殻から上部マントルに至る構造の不均質性を検討することができる。この研究では、現地の観測に関して、トルコ国ボアジチ大学の全面的な協力を得ることができている。
すべて 2007
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Geophysical Journal International 170
ページ: 749-763