研究課題
1.広帯域海底地震計・海底磁力電位差計の設置2009年2月6日から3月14日にかけて海洋研究開発機構の調査船「みらい」の航海MR08-06が実施され、2月7日-2月13日にソサエティーホットスポット周辺海底に海底地震計と海底磁力電位差計を9台ずつ設置し、約1年間の観測を開始した。2.下部マントルのP波・S波速度モデル2003-2005年に仏領ポリネシア海底に設置した広帯域海底地震計とフランスの共同研究者(G.Barruol氏)が2001-2005年に仏領ポリネシア海洋島に設置した広帯域地震計のP波、S波波形を用いて走時トモグラフィーをおこない、ポリネシア下部マントルのP波、S波速度モデルを得た。どちらのモデルでも下部マントルには巨大な低速度異常が見出された。このモデルは提唱されてきたスーパープルームの真上での観測データによる初めての結果であり、スーパープルームの存在が実証されたといえる。P波モデルが国際誌から出版済み、S波モデルは論文執筆が完了した。3.上部マントル地震波速度異方性上記の観測によるSKS波波形からスプリッティングを求め、仏領ポリネシア上部マントルの異方性を求めた。大部分の観測点では太平洋プレートの運動方向に速い異方性が求められたが、ソサエティー・ホットスポット付近の観測点のみでそれと異なる異方性が検出された。これは、本課題の対象ホットスポットでマントル流れ場がプルーム上昇で乱されていることを示しており、興味深い。
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