研究課題
1. 庸船による機器回収の準備当初計画では平成21年独立行政法人海洋研究開発機構の船舶利用公募に応募し、平成22年度に海底機器を回収する予定だったが、燃料費高騰などの影響で船舶の公募対象期間が短縮されたこともあり、不採択となった。そのため、平成21年度予算の使用内訳を変更し、一部を平成22年度に繰越してタヒチでの庸船費として使用することとした。現地庸船の手配を行い、平成22年度機器回収に備えた。2. 広帯域海底地震計・海底電位差磁力計の回収平成22年11月から12月にかけて広帯域海底地震計・海底電位差磁力計を回収した。回収にはタヒチの漁船を傭船した。全機器の回収に成功し、データの回収率もほぼ100%であった。3. 過去の観測データをもちいたポリネシア海域下S波速度構造の推定平成15年度から平成17年度まで実施したポリネシア海域全体をカバーする広帯域海底地震観測データをもちいてS波の走時トモグラフィーをおこなった。S波走時は波形の相互相関を計算して測定した。その結果、下部マントル深部に直径1000kmあまりの巨大な低速度異常が存在することがわかった。4. 過去の観測データによる研究成果のまとめ過去のデータから得られた結果を総合的に議論し、ポリネシア海域下の全マントル地震波速度構造を異なるスケールのマントル上昇流の組み合わせで解釈する仮説を提案し、論文として出版した。その内容は以下の通り。「下部マントルの底から深さ1000kmまではポリネシア海域の下に直径1000kmを超える巨大な低速度ドームが存在する。;そのドームから上部マントルを通って直径数百kmの細いプルームが上昇し、ポリネシアのホットスポット火山にマグマを供給している」。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (11件)
Geochemistry, Geophysics, Geosystem
巻: 10 ページ: Q11014
Geophys. Res. Lett
巻: 36 ページ: L07305
Geophys. Res. Lett.
巻: 36 ページ: L14301
Sensors
巻: 9 ページ: 9241-9254
JAMSTEC Report R&D
巻: Special issue ページ: 103-110
巻: Special issue ページ: 131-140
J.Geophys.Res.
ページ: doi:10.1029/2009JB006678
Science
巻: 324 ページ: 1173-1175
地震2
巻: 61 ページ: 137-144