研究概要 |
平成21年度後半に白鳳丸KH-09-5航海を成功裡に実施した。当航海は本格的な国際GEOTRACES航海としては世界の先陣を切る画期的なもので,船上観測作業・データ解析作業等を世界的基準に則って進めた。11月6日に東京を出港,アラビア海(北緯17度)からを南極海(南緯64度)に至るインド洋南北縦断コースを完遂し,翌年1月9日にケープタウン(南アフリカ)に入港した。この間,コーチン(インド)およびポートルイス(モーリシャス)に寄港して適宜研究者を交替させ,総計約50名の国内外からの研究者の参加の下に,海水,海底堆積物,及び大気のクリーンサンプリングと船上処理・分析作業を実施した。航海前の準備にも最大限の配慮をし,研究機材の調達・補修・準備全般のほか,乗船研究者の確定と観測内容に関する具体的打合せを鋭意遂行した。白鳳丸航海における観測作業の完璧を期すため,7月24~30日に淡青丸を用いて本州南方海域の予備調査航海を実施した。GEOTRACES計画全般の推進に関わる国際打合せ会議(GEOTRACES科学推進会議およびクリーン化学分析法相互検定のためのインターキャリブレーション委員会)に,研究分担者および連携研究者が積極的に参加し,我が国のGEOTRACES計画実施体制の充実に努めた。また,日本海洋学会春季大会(4月,東京),国際ゴールドシュミット会議(6月,ダヴォス(スイス)),東京大学海洋研究所共同利用研究集会(8月,東京)および日本地球化学会年会(9月,広島)において成果を報告し,研究内容の高度化に努めた。なお,平成22年度に予定した日本海GEOTRACES航海に向けた準備作業も並行して進めた。
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