研究課題/領域番号 |
19254001
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
藤澤 正視 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (90228982)
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研究分担者 |
福山 洋 独立征政法人建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (60344008)
菊池 健児 大分大学, 工学部, 教授 (50117397)
高橋 浩 独立征政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (50357373)
五十嵐 浩也 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (80258839)
稲村 哲也 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00203208)
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キーワード | ラス・シクラス遺跡 / アンデス考古学 / 先土器時代 / アンデスの地震 / チャンカイ谷の地質 / ラクダ科野生動物 / ミトコンドリア遺伝子 |
研究概要 |
現地調査期間中、ペルー沿岸でM8の地震が発生した。耐震工学・建築構造学担当者は、被災地の被害状況を調査すると共に、現地研究者と連携し、地震データを記録し、発生原因、特徴、被害状況などを明らかにした。14地点で得られた強震記録は当該研究で有効活用されると共に、ペルー国内の地震防災計画策定等への利用が期待される。地質学・地理学担当者は、ラス・シクラス遺跡とその周辺及びチャンカイ谷の河口から源流部までアンデス山脈を横断する地質調査を行った。遺跡及び周辺山地の岩石は、後期白亜紀(約1億年〜6500万年前)の火山活動で形成された玄武岩質安山岩だと確認した。チャンカイ水系は、下流部(河成段丘)、中流部土(石流段丘)、上流部(峡谷・V字谷や地すべり)、および高原(氷食谷・U字谷や端堆石堤・羊背岩、低平な氷河侵食・堆積地形の集合)に区分されることが理解された。文化人類学担当者は、地質グループと共にチャンカイの河口から高原までを探査し、高原と海岸の交流に関する予備的研究を行った。また、ラクダ科動物骨の分析のための準備作業として出土動物骨を整理した。さらに、ペルー中・南部高地を踏査し、ラクダ科家畜の放牧形態、植生などを比較調査し、地域的多様性を把握した。考古学担当者は、シクラス遺跡と同時期の諸遺跡の調査報告を分析すると共に、発掘中の遺跡の最新データを収集し、先土器時代の神殿の共通性とシクラス遺跡の特殊性を検討した。動物生態学担当者は、ラクダ科野生動物ビクーニャの生態調査を継続すると共に、映像資料を作成し、ラクダ科野生動物の習性やドメスティケーションに関する生物学的研究の基礎データを得た。遺伝学担当者は、獣骨からDNAを抽出し試料化する条件を探るため、フニン高原で現生のラクダ科家畜の骨を採取し、現地で調製したDNA試料を日本に輸送し、ミトコンドリア遺伝子の部分配列を解読するためのPCR条件を検討している。
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