研究課題/領域番号 |
19254003
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 哲 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70038090)
|
研究分担者 |
趙 世晨 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (80304848)
鵤 心治 山口大学, 工学部, 教授 (30264071)
|
キーワード | 景観デザイン / 地区修復 / ベルナルド・ベロット / ドイツ:イタリア:オーストリア:ポーランド / ピルナ / 3次元画像 / 風景画 |
研究概要 |
1、ベロットが描いた絵画は、数量化III類分析の結果5つの典型構図に分類できた。(1)シンボリックな建築物の景観、(2)道路と街並みのパースペクティブな景観、(3)河川と街並みのパースペクティブな景観、(4)街の全貌を見渡す景観、(5)宮殿と庭園の景観である。その際、河川景槻を上流と下流から描く、宮殿景観を正面と背後から描くなど、相互に関連づけて描いた。ベロットは、視点場と視対象を関連づけ都市空間像のコンテキストを提示したことが分かった。 2、ベロットによって描かれた諸都市の絵画は、戦災の復興・修復のテキストに用いられた。歴史の連続性、記憶の連続性を担保すべきであり、その際に、戦争直前の街並みよりも18世紀のベロットの絵画に描かれた街並みを手本とすべきだとして、修復を進めた。特にワルシャワ市(あるいはピルナ市)の歴史地区では、当時の建物が客観的に把握できるベロットの絵画が活用され、世界遺産に登録された。 3.ピルナ市の歴史地区の街並みを3DCGで再現し、ピルナ市役所に提供した。視点を自由に変えることによって、ピルナの新しい側面が見られ、インフォメーション・オフィスで展示され観光まちづくりに寄与しており、今後はシルエットの保全に活用することが期待されている。またワルシャワの市政研究所でも歴史地区が3DCGで作成され、ウィーンのシュロスホーフ宮殿でも3DCGで再現作業が進行、従って私どもが作成したピルナ市の歴史地区3DCGの、相互の情報交換が緊急に必要になってきている。 4.比較のために日本の歴史地区(宿場町)の景観資源と観光化への動向を調査した。街並み保全では自動車交通への対応、街並みだけではなく地元の諸資源との関連を強めること、が観光化の手がかりとなることが分かり、海外都市の観光化への示唆がえられた。
|