研究課題/領域番号 |
19254004
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
入江 正之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40193700)
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研究分担者 |
小松 幸夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10133092)
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40298138)
田辺 新一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30188362)
輿石 直幸 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (00257213)
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キーワード | 建築史・意匠 / 修復・再生 / カタロニア / マジア / 伝統的石造民家 / 温熱環境 / 室内空気質 |
研究概要 |
研究対象であるFatges離村集落のマジア残存遺構A棟に関して、2005年度に引き続き修復・再生作業を継続して行い、来年度における温熱環境、室内空気質等の計測が行えるよう、その完了に向けて作業を進めた。3階建てA-1棟については、内部では主に鉄骨架構体に壁としての鉄板張り作業の継続とA-2棟との連絡用ブリッジの制作、外部では鉄骨柱・梁フレーム部に既存粗石積み壁体を特化するために、対比的な素材であるステンレスのメタルファブリックの一連のスクリーンの取り付け、また既存壁体と屋根架構部との隙間を埋める軒部の鉄のガラリと妻部のポリカーボネートの塞ぎ板の取り付け作業を現在も引き続き行っている。隣接する2階建てのA-2棟はオリジナル復元のため、既存残存部の計測と平面図、展開図の図書の起こしと模型の作成、廃墟状態であるが、1階、2階の使われ方、機能構成の類推を行った。1階入り口側は家畜や荷車の車庫、奥側はパン窯とパンを煉る台がある作業場であったことを特定した。2階については階段を昇った所に広間があり、反対側の壁には冬季の暖房と料理用の暖炉があったこと、(この部分に鳩を飼育した形跡もうかがわれるが、暖炉を優先的に扱うことした。)北側に二つの部屋があり、一つの部屋は寝室であり、もう一つの部屋は開口部の形跡がないことから収納庫であったと類推した。崩落した屋根や床材の浚渫を行った後、上記の類推に沿って、オリジナル復元すべく、床組、屋根組などの建築的要素の建設と壁の修復と仕上げ、また室内のパン窯、暖炉などの付帯装置の復元作業を進めた。それらの過程を逐一文書で記録し、また写真に加えて建築写生によっても保存した。
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