研究課題
サンゴの白化および病気による死滅は深刻である。サンゴ礁は多様な生物群集で構成されている、褐虫藻、微生物、ピコ・ナノプランクトン(シアノバクテリア)等である。これらが、栄養塩や有機物と関係して生態系を構成している。本研究プロジェクトの目的はインド洋のモーリシャス周辺のサンゴ礁の状態の調査を引き続き進めると同時に、太平洋の沖縄のサンゴ礁と比較して、インド洋サンゴ礁の現状を把握する。モーリシャス周辺の白化が2008年には拡大したが、原因等の調査はほとんどなされていない。サンゴ礁保全はその地域の人々の暮らしと関係している2012年の4月の中旬に実施した。調査ではモーリシャスのサンゴ礁の健全性の程度を中心に、海草群落との密接なリンクの実態を調査した。海草群落から代謝活動により放出されるMycosporine-like-amino acids(MAA)は紫外線を吸収し、サンゴ内の褐虫藻への紫外線効果を緩和している可能性を突き止めた。そのため海草群落との共存はサンゴの健全性にはプラスと考えられる。さらに、サンゴに共生している褐虫藻は栄養塩をサンゴ内部から摂取していること、そのため海草群落との共生が栄養塩循環においては可能であることも確かめられた。モーリシャスのサンゴ礁の特徴の一つであることが確かめられた。重要な点は調査した栄養塩濃度が低く、海草群落が広範囲に成長するほどの環境にないことも確かめられた。さらに、サンゴの健全性を維持するメカニズムの一つは、餌としてのピコ・ナノプランクトンの寄与が高いことであることが示された。また陸上から流入する淡水中のバクテリアの調査から、白化の原因となるバクテリアは検出されなかった。従来モーリシャスのサンゴ礁の化学的・ミクロ生物群集の調査をほとんどなく、はじめて何故モーリシャスサンゴ礁のサンゴの白化が少ないのかについてほぼ明らかになった。
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