研究課題/領域番号 |
19255003
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
神田 啓史 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (70099935)
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研究分担者 |
増澤 武弘 静岡大学, 理学部, 教授 (40111801)
坂田 有紀子 (別宮 有紀子) 都留文科大学, 文学部, 准教授 (20326094)
久米 篤 富山大学, 理学部, 准教授 (20325492)
大園 享司 京都大学, 農学部, 助教 (90335307)
内田 雅己 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (70370096)
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キーワード | 氷河後退域 / 光合成 / 呼吸 / 生態系 / 遷移 / バイオマス / 植生 / 微生物 |
研究概要 |
スバールバル諸島、ニーオルスン氷河後退域の群落における土壌微生物の呼吸、植物の光合成生産と呼吸および土壌炭素や植物バイオマスなどの生理生態学的データを積み上げ、氷河後退域における炭素循環モデルを構築した。氷河後退域は、氷河末端ラインから遠くなるほど生態系が成立してからの時間を経過している。生態系発達(遷移)段階が異なると、土壌有機物量も異なるため、土壌微生物による呼吸の制限要因は異なる可能性があるため、遷移初期と後期の土壌に炭素源と窒素源を加え、微生物呼吸の推移およびバイオマスの組成の変化を調査した。その結果、遷移初期と後期では、炭素、窒素、炭素・窒素を添加した際の応答は異なった。特に、遷移初期では微生物による呼吸は炭素・窒素両方が制限要因となっていた。ノルウェー北極においては、異なる地形ごとに採取された地衣類、49属、82種が同定された。さらに、形、大きさ、量がさまざまに異なるムカゴトラノオの規則性について調査し、土壌の乾燥した場所においては2タイプ、湿った場所においては4タイプのパターンを見出した。さらに、同じ高緯度ツンドラ帯に属するが、植生の異なるカナダ、ケンブリッジ湾、オーブローヤ湾において植生調査を行った。ケンブリッジ湾は数種類のヤナギ属を有し、種子植物、蘇苔類、地衣類の組成はオーブロヤー湾と大きく異なり、両地域の植生の違いを決める要因について考察した。
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