研究課題
8月8日ロシア、バルナウル着8月15日までの短期間で、日本側近藤代表ほか3名、ロシア側8名の共同研究者が、本科研プロジェクトを遂行するため、ロシア連邦アルタイ山脈と西サヤン山脈で研究、調査、採集を行った。対象は、高山性広義キク属、アヤメ科アヤメ属、サクラソウ科サクラソウ属とした。また日本の植物相に関わる昆虫層がどれ程変化しているかを調べるためにカメムシ類を対象に加えた。半数以上の共通種が日本-アルタイに関係があった。今までのアルタイ山脈に新たに西サヤン山脈を加えた植物相の日本の植物相との関連性を調査したが、片寄った成果となった。現在はこれ等採集品を使って、さらに具体的成果へ向けて研究を進めている。8月21日~9月1日、中華人民共和国黒竜江省ハルビン市東北林業大学との共同研究で、日本側近藤代表ほか3名と中国側2名が参加し、東北林業大学実習林、大慶市の林業試験場で調査、採集をした。しかし、この地域には自然林は無く、道路沿いの野生植物を対象にしただけであった。一方、7月3日~7月14日にモスクワ国立大学植物学D.Sokoloff教授とM.Remizova助手が来日、富士山周辺西側地域で単子葉植物を中心に花芽を採集した。花芽を分析して進化の道筋、植物相の関わりをまとめるもので、近藤との共同研究の1つである。また、11月20日~11月29日まで、中国科学院植物研究所から周世良氏が来日、日本で栽培されている中国産ボタンの日本への移入経路を分子遺伝学的に分析するために4ボタン園より葉芽の部分を採集し、持ち帰った。そして、1月20日~1月30日まで、モスクワ教育大学E.Tatarenko氏が来日し、研究材料を富士山、伊豆半島周辺で採集し、持ち帰った。これらすべての室内分子遺伝学的研究は現在各自行っている。
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Chromosome Botany 4
ページ: 25-36
ページ: 37-45
ページ: 47-51
ページ: 65-70
ページ: 71-77