研究課題
基盤研究(A)
近藤等は、アジアのフロラはアルタイ山脈でヨーロッパ・フロラと境界するとの仮説をたてて、日中共同研究で27年、日露共同研究で10年にわたって研究調査を続けてきた。その中でも東アジア・フロラを占有している国は、ロシア連邦、モンゴル、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国であり、日本海、タタール海峡を隔てて日本がある。日本列島のフロラを研究するとき、ロシア連邦と中華人民共和国には同一種、近縁種が多く、それらの個体群内・間の変異性、多様性、雑種性ぬきで分析することはできない。両国に共通して分布する被子植物のうち、日本フロラ関連植物種のうち、いままでに分類学的、系統学的、分布論的に問題を提起している分類群に注目して、伝統的基本である形態学と有性と無性器官の発生生物学的データ集積とその扱いに注意しながら、多様性及び構成種の分化、進化、動態の根本を知った上で、日本列島がユーラシア大陸から分離された後の島環境がどのように個体群遺伝子給源を保持して繁栄してきたかを探るものである。そして、多面的に日本フロラ関連特定植物の生き様、動態を分析し、分布の過程での分化の道筋を総合的に分析する。また、早急な研究が望まれている稀少種、地誌的残存種と絶滅危惧種の出現とその背景について分子系統学的、分子細胞遺伝学的な比較分析、特性評価を進める。そのためには野外生育場所での生態学的調査、個体群生物学、個体群内・間の識別、かかわり、交配様式等を共同研究者同士で共有する技術、方法論で分析するとともに、一部を栽培下におき、高価な研究費を要する分子レベルの分析を日本側近藤の研究室で、共同で分析を進める。このように、「目で見て確かめる」という生物学の基本を野外、研究室内両面で進め、総合的に評価して、科学的実証で、日中露共通に扱え、さらにはグローバルレベルの同一扱いに耐えられる状態にする。また、その過程で得られるであろう各種保全の方法も考え、かつ応用面として戻し導入の方法論展開もしたい。そして、ユーラシア大陸東部植物の相互種間関係にせまりたい。
すべて 2010 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (3件)
Chromosome Botany 5
ページ: 1-3
ページ: 15-21
Chromosome Botany 4
ページ: 25-36
ページ: 65-70
Bot. Journ. Linnean Soc. 158
ページ: 1-18
Chromosome Botany 3
ページ: 19-25
ページ: 37-45