研究分担者 |
佐藤 和広 岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (60215770)
榎本 敬 岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (50033254)
加藤 鎌司 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40161096)
阿部 純 北海道大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00192998)
辻本 壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)
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研究概要 |
本研究班を構成する下記の4グループが中国周縁国を訪問し,のべ4回にわたって現地調査を行った.その概要は下記の通りである. 1.オオムギ・コムギグループ;中国科学院昆明植物研究所の協力の下に,貴州省および雲南省のオオムギおよびコムギ遺伝資源の調査・収集を行った.収集地はいずれも中国南西部に位置し,緯度は沖縄県とほぼ同じである.この地域を10日間かけて2つの研究チームがそれぞれ約3,000km車で走行し,途中78の収集地点で約190のオオムギおよびコムギサンプルを収集した.オオムギ・コムギともに秋播き栽培されているので,農家の納屋に保管されている種子を採集した.いずれのサンプルも複数のタイプが混ざっている在来品種なので,系統分離後の最終的な収集系統数は約400になると予想される. 2.ダイズグループ;中国における急速な経済発展がダイズの遺伝的多様性に及ぼす影響を,1994年と1995年の両年に調査した中国貴州省のミャオ族自治区の集落を中心に調査した.様々な電化製品の普及による生活様式の変化が認められたが,以前の調査で確認された在来種が継続的に利用されており,作物遺伝資源のon farm保全に関する知見が得られた. 3.メロングループ;中国科学院昆明植物研究所との共同研究として,雲南省南西部において主にCucumis属植物の調査・収集を行った.Cucumis属野生種のほとんどがアフリカに分布しているが,雲南省南西部にはCucumis hystrixという特異な野生種が自生していたという記録がある.現地調査の結果,Cucumis hystrixの自生を確認することができ,33系統の採集に成功した.Cucumis属の系統進化を解明する貴重な材料として期待される.
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