研究課題
本研究では新興人獣共通感染症としてトリパノソーマ原虫症について東・南部アフリカでの実態を把握、その病原性進化の過程を追跡することを目的としている。アフリカ諸国め研究者との研究ネットワークを活用して家畜・野生動物ならびに人における感染の実態を共同で調査し、原虫進化の道筋を辿ると同時に、感染巣の拡大が起きているか原発地域の周辺地域での原虫の分子疫学的モニタリングを行い、予防対策確立に必要な情報を発生各国に提供する。さらに、ツェツェバエの各種生物学的性状をゲノム、cDNA解析から明らかにして、ベクターコントロール法の開発を行い、HAT予防対策確立においてブレークスルーを図ることを研究の目的とする。本年度はザンビアでのトリパノソーマ症調査を継続して実施し、マラウイ国境付近の東部地域で人トリパノソーマ症患者血液中に原虫を検出し、マウス接種により株を樹立した。SRA遺伝子解析の結果、データバンクに登録されている遺伝子の塩基配列と完全に一致したことからTrypanosoma brucei rhodesienseと確定した。またウガンダ東部でのT.brucei rhodesiense感染フォーカスの拡大の情報を得て、同地域で収集した牛、ツェツェバエDNAの解析を行い、Trypanosoma原虫遺伝子の存在をPCRで確認した。また、新興人獣共通感染症として着目されているEhrlichia ruminantiumの遺伝子検出のため、等温遺伝子増幅法(LAMP)についても開発を実施し、感度ならびに特異性について従来のPCRと比較検討し、野外材料の解析に応用できる系を開発した。
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