研究課題/領域番号 |
19256002
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
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研究分担者 |
川田 均 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (80363480)
長谷部 太 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 教授 (20253693)
比嘉 由紀子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40404561)
後藤 健介 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60423620)
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キーワード | デング / 媒介蚊 / ベトナム / 環境 / 防除 |
研究概要 |
平成20年度は、当初予定通り適用可能な総合防除(IVM)のマニュアル作成をめざして、デング熱の流行が大きい南部のコミューンにおける幼虫防除の試行に注力した。 我々の考案になるオリセット蓋適用による産卵阻止効果は、水採取用の水瓶(蓋無しのため幼虫が発生している場合あり)から水を移し替える生活習慣のために、幼虫が人為的に他の水瓶に移し替えられる可能性が判明し、効果に疑問が持たれた。一方、水瓶を利用する捕食性天敵相も調べた。その結果、オリセット蓋が侵入を阻止したためか天敵であるミズムシ(半翅目)の数が処理区で少なく、この点でも一般に奨励される「蓋閉め」には問題が多いことが判った。BGトラップによる成虫数の推移、採血によるデング抗体価の推移等も含めた試行の総合評価は最終年度に持ち越した。 マルチポイント媒介蚊調査によるデング熱媒介蚊の侵襲度の実態把握の方は予定以上に進捗したので、更に進んで殺虫剤抵抗性の実態把握に努めた。対象を家庭用で使用されているピレスロイド(アレスリン)に絞り、古タイヤに発生するネッタイシマカ、ヒトスジシマカ、ネッタイイエカ幼虫について評価した。その結果、南部におけるネッタイシマカの感受性低下が顕著であった。抵抗性集団の分布と、地理的・社会的要因、およびマラリアあるいはデング熱防除のためのピレスロイド殺虫剤の使用量などとの相関を解析したところ、マラリア防除のためのピレスロイド散布が抵抗性の分布に強く影響していることが明らかとなった。
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