研究課題
ニャチャンでは、年度を越えて継続してきた定点調査より、夏期に当たる5~7月頃にキーコンテナー(高いproductivityとefficiencyを示す発生源)へ集中的な防蚊対策を実施することが、媒介蚊防除には効果的であることを実証できた。またタイとの比較調査からプロトコールをある程度統一することで侵襲度の比較研究が可能となることを示した。天敵については、半紙目昆虫に注目しその胃内容物を分子生物学的に精査した。その結果、40%ものチビミズムシ類と12%のカタビロアメンボ類の胃内容物から、PCR解析によりAe.aegyptiの遺伝子を検出した。殺虫剤に対する抵抗性の実態評価を目的として、Ae.aegypti幼虫の抵抗性遺伝子の解析も進めた。ドメインIII-セグメント6(DIIIS6)領域の新しいアミノ酸置換変異(F1269C)が高頻度かつ広範囲で確認した。この変異は、東南アジアに普遍的な変異である可能性が高く、ピレスロイドに対するノックダウンを遅延させることから、ベトナムに於けるピレスロイド抵抗性の現状が深刻であることを窺わせた。H21年度までの3年間にホーチミン(南部)、Buon Ma Thuot(中部)、ハノイ(北部)で分離されたデングウイルス1型の遺伝子解析を終えた。地域に特異的なアミノ酸配列がいくつか認められたが、系統樹解析の結果から全てのウイルス株がGenotype 1型となり、genotype shiftを認めなかった事実から、流行が人の往来により生起している可能性を示唆出来た。
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