研究課題/領域番号 |
19300009
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
南谷 崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80143684)
|
研究分担者 |
今井 雅 東京大学, 駒場オープンラボラトリー, 特任准教授 (70323665)
神山 和人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (60447331)
|
キーワード | 計算機システム / 半導体超微細化 / ディペンダブル VLSI |
研究概要 |
半導体製造技術の微細化に伴って顕在化しつつある VLSI 設計における工学的限界を克服するチップアーキテクチャと設計技術・評価技術を確立するのが本研究の目的である。平成20年度は、平成19年度に引き続き各項目の研究を行った。 遅延変動に対して高いロバスト性を有するm-out-of-n符号を用いた非同期式回路は、一般的な2値符号を用いた回路と比較して回路規模が大きくなるため、微細化が進むとリーク電力の影響が大きくなる。そこで、平成20年度は、m-out-of-n符号を用いた非同期式回路に対して、回路が動作していない休止相状態では回路の状態が一意に定まることに着目し、オフ状態となっているトランジスタにリーク電流の小さい高スレッショルド電圧トランジスタを適用する手法、及び、休止相状態で保持された値が反転しないようにパワースイッチトランジスタと接続する手法を提案し、90nmプロセスを用いて評価を行った。その結果、前者は30%の速度低下はあるものの80%以上のリーク電力削減を細粒度に実現することが出来ることを確認し、後者では91%以上のリーク電力削減が可能であることを確認した。 チップ・マルチコアプロセッサにおける共有資源の競合に対して、優先度を制御することにより低電力マルチコアプロセッサを実現する方式に関して、性能・電力変化に関するモデリングを行い、各プロセッサコアの周波数を揃えるように制御することにより全体の消費電力を最小化できることを確認した。また、不連続値をとる実際の動的電圧・周波数調整可能システムにおいて本手法を適用するアルゴリズムを提案し、いくつかのベンチマーク回路に適用した結果、平均13%の消費電力を削減できることを確認した。
|