1. インデックス生成回路を汎用メモリで構成する一般的構成理論 インターネットのIPアドレス表は、与えられたIPアドレスに対して、宛先の詳細が掲載されているメモリのアドレス(インデックス)を生成する。IPアドレスに対応するインデックスを生成する回路をインデックス生成回路という。この回路をドントケアを利用して簡単化する手法を開発した。まず、最小被覆を用いて依存変数を最小化する方法について検討し、次に、線形変換を利用して依存変数を削減する方法について、理論的に検討した。線形変換を実現するための回路の大きさと、線形変換を用いて削減可能なメモリの面積の関係を調べた。 2. 順序回路構成への応用 順序回路の構成に用いられるCAM(Content Addressable Memory)の替わりに汎用メモリが使用できると、安価な回路が構成できる。ここでは、アンチウイルス・ソフトウェアであるClamAVと侵入検知ソフトウェアであるSNORTのパターンの違いに注目し、侵入検知システム用とは異なるウイルス検出エンジンの構成について考察した。ウイルス検出エンジンはMPUとFIMMで構成し、第一段階では、CAM機能を用いた並列ハードウェアフィルタで高速に部分マッチングを行い、第二段階では、MPUを用いて厳密にマッチングする。大量のウイルスパターンを効率よく格納するため、並列ふるい法を提案した。外付けSRAMボードとFPGA1個でClamAVのウイルスパターン514287個全て格納した。単位面積で正規化したスループットにおいて、提案手法は従来手法よりも1.41倍-31.36倍優れている。
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