研究概要 |
本研究は、非常にシンプルで低価格で実現可能な超小型センサノードを開発し、マイクロホン、振動センサなどを用いて、生活環境をセンシングし、学習するとともに、簡易なデータ処理と各センサからの情報統合によりユーザや環境の状況認識を行う技術の研究開発が目的である。本研究の特徴は,各分散ノードがそれぞれ小規模ながら処理能力を持ち,コンテキスト情報を認識しその結果を通信デバイスを通じてイベント出力するスマートセンサにあり,従来の中央集中型のセンシングシステムに対し,柔軟なセンサネットワークシステムを実現する.このセンサが認識するコンテキストの例としては,「ドアの開閉」「椅子への着席」「カーテンの開閉」「計算機の利用」「机にモノを置く」などが挙げられる.第2年度は,初年度に小型DSPマイコン上を利用して開発したコンテキスト認識を実現するスマートセンサInstant Learning Smart Sensor (ILSS)について,1台だけではなく,複数台での協調を可能にした.複数のスマートセンサを用いることにより,具体的には,階段の上り下りの判定や,机や壁をノックした位置の推定などが可能になる. また,実環境でのセンシングについての知見を高めるため,人が歩行する環境でのロボットの自律移動を行うための実証環境として「つくばチャレンジ」に参画した。豊田中央研究所の協力を得て、ロボットのセンシングや複数のセンサ情報の統合に関する知見を得た.ロボットの実環境での動作検証が困難であること分かったため、センシングシステムの仮想化が必要であるという結果を得た.そこで次年度以降は,仮想環境センサデバイスのエミュレーションとその上のソフトウェア開発を行うことを検討している.
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