研究課題/領域番号 |
19300017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増澤 利光 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
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研究分担者 |
角川 裕次 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80253110)
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20362650)
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キーワード | アルゴリズム / ディペンダブルコンピューティング / ネットワーク / 分散システム / 自己安定システム / モバイル・アドホック・ネットワーク / P2Pシステム |
研究概要 |
本研究では、(計算機などの構成要素の故障、ネットワークトポロジの変化、外部からの攻撃などによる)ネットワーク環境の不断の外乱のために不安定で絶えず変動しているネットワークにおいて、安定動作する自己適応型分散システム設計の基盤となる理論・技術の確立を目指している。交付申請書に記載した研究実施計画に従って研究を遂行し、以下の成果を得た。 1. 外乱の生じた周辺のみで分散システムの動作が乱れることを許し、その他の部分に対しては外乱の影響を遮断する(外乱の影響を空間的に封じ込める)という特性を、既存の自己安定アルゴリズムに付加するための手法を提案した。 2. 永続的な外乱にかかわらず、その影響を有限時間内で遮断する(外乱の影響を時間的に封じ込める)という特性を定式化し、この特性を有する自己安定アルゴリズムを提案した。 3. 外乱の影響の空間的封じ込めと時間的封じ込めを融合した特性を定式化し、この特性を有する分散アルゴリズムを提案した。さらに、これら2つの特性をバランスよく調整する手法について検討した。 4. 連続不安定なネットワーク環境において、分散システムの安定動作を実現するために、ランダム性を活用する手法について検討し、汎用性の高い自己安定アルゴリズムを提案した。 また、提案アルゴリズムの性能評価のために、解析、シミュレーション実験およびセンサー実機を用いた実験を行った。 上記の自己安定アルゴリズムはいずれも、外乱に適応するために不断のプロセス間通信を必要とし、ネットワークに対する高い負荷を生じる。そこで、研究実施計画に記載した研究に加えて、通信に関して効率的な自己安定アルゴリズムを定式化し、いくつかの自己安定アルゴリズムを提案した。
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