本研究では、計算機などの構成要素の故障、ネットワークトポロジの変化、外部からの攻撃などによる、ネットワーク環境の不断の外乱のために不安定で絶えず変動しているネットワークにおいて、安定動作する自己適応型分散システム設計の基盤となる理論・技術の確立を目指す。 従来の自己適応型分散システムの代表例として、予期せぬ外乱によってどのような状況に陥っても、自動的に正しい状況に復帰できる自己安定分散システムがある。しかし、自己安定分散システムが正しい状況に復帰するためには、新たな外乱が生じない十分に長い期間が存在することが必要であり、不安定で絶えず変動しているネットワーク環境には適用できない。そこで本研究では、断続的な外乱を取り扱えるように自己安定分散システムの概念を拡張することにより、絶えず不安定なネットワークにおいて安定動作する自己適応型分散システム設計の基盤となる理論・技術の確立を目指す。
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