研究概要 |
本研究は,多数のセンサ,情報通信デバイスを外部環境(利用者の移動,気温変化,時間など)および利用者の好みに従い自動制御するスマートスペースおよびアプリケーションを対象に,(1)システム全体を高信頼かつ低コストで開発できるようにするためのシミュレータの開発,(2)シミュレータを用いて大規模なスマートスペースを構築し,本シミュレータの有用性を評価することを目的としている.これらの目的を実現するため,3D空間上へのデバイスの設置支援・空間におけるデバイスの動作の可視化を行う機能(可視化・GUI),デバイス間の通信を物理的なレベル(遮蔽物,無線通信範囲なども考慮)でシミュレートする機能(ネットワークシミュレータ),エアコンなどのデバイスの動作が外部環境に与える変化(室内温度などの物理量の変化など)を忠実に再現する機能(物理量シミュレータ),与えた環境設定およびアプリケーションソフトウェアが意図通りに動作することを系統的に調べる機能(テスト機能)を実現することが研究の目標である.2年目である平成20年度は,シミュレータのスケーラビリティを高める方法の検討,系統的テスト機能の実現,シミュレータを用いたスマートスペースの構築実験を行った.本年度に得られた成果のうち,系統的テスト機能,スマートスペース構築実験に関する論文を,情報処理学会第16回マルチメディア通信と分散処理ワークショップにて発表した.また,本シミュレータにおける可視化技術に関する研究成果を情報処理学会論文誌に発表した.
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