研究概要 |
計算機処理や通信の対象として,実世界の3次元空間情報や画像・映像情報などが,容易に利用できるようになってきた.これら実世界の形状・空間情報や画像・映像情報は,多次元データであり,そのデータ量も多いことが大きな特徴となっている.このような大規模データは,人間が手作業で処理することは事実上不可能であり,計算機による適切な処理法が求められている.本研究課題では,実世界データに対する「自然な補完」の実現をターゲットとして,実世界データの効率的な解析手法ならびに合成手法の開発を目的としている. 本研究課題は,「空間情報の領域分割とテクスチャ合成」,「空間情報のパターン照合」,「時間情報における連続性抽出(運動解析)と補間」の3つをサブテーマとしている.2009年度は第2のサブテーマである「空間情報のパターン照合」に関連して,人間の視覚特性を利用する手法について研究を進めた.特に,対象として顔画像とマンガ画像を扱う研究を行った.具体的には顔画像から受ける印象を解析することで,見た目の年齢推定法や見た目年齢を保存した魅力の操作手法を開発した.またマンガ画像に関しては,描画線とパターン情報を利用した領域判定アルゴリズムを考察し,マンガ画像の色塗りへの応用を検討した.このほか,さまざまな観点から実時間データ処理に対するGPU利用の可能性について検証を進めた.
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