(1)データ圧縮手法の開発 計測点相互が幾何学的に近傍に位置する場合、同一の計測点についても互いに近い2つの作用点への作用する場合、計測されるインパルス応答は類似なものになると期待される。この類似性を利用して、疎にとられた代表ノードにおける応答からそれ以外のノードの応答を補間により生成する手法を開発した。これにより、モデルとして保持すべきインパルス応答の削減によるデータ圧縮が可能であることを確認した。インパルス応答波形の相似性に加えて時間遅れおよび減衰を考慮した補間手法により、実験に用いたモデルデータでは、相関係数0.9の近似で54%、0.8の近似で1.1%の圧縮を実現した。また、圧縮手法によって再生された力覚表現によっても、違和感のない変形が実現されていることを確認した。 (2)視覚表現の高速化 変形の視覚的な表現にまつわる計算についてグラフィクスハードウェアを用いた高速化手法を開発した。変形計算は数式上は畳み込み演算であるが、データの参照にテーブルルックアップが多く発生し、この性質はグラフィクスハードウェアを用いた実装には適さない。そこで計算を時間軸方向にも展開することで、テーブルルックアップの負荷を軽減するアルゴリズムを提案し、汎用のGPUによりその有効性を確認した。
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