研究概要 |
昨年度に引き続き,ステレオ映像による疲労やの映像酔いのについて,評価法,発生原因などについて研究を行った,これらのうち昨年(2007)度までに得られた成果は2008年2月に5編の論文として出版された.今年度も3編の投稿済の論文があるが,未だ掲載に至っていない.ということで,本年度は端境期となり出版論文がゼロとなってしまった. ステレオ映像に関しては,映像視聴前後のアンケートによる主観評価(対照を2D映像として,疲労/頭痛/眼の症状/気分の悪さ/全身症状)の分析を行い.映像酔いの症状と比較した.また,アナグリフ法における疲労を調査するため,2D映像を赤/青めがねをかけて視聴した際の主観評価も行った.さらに客観評価法として,唾液中のストレスマーカーであるコルティゾール,アミラーゼ,クロモグラニンの分析を行い,来年度以降に本格的に調査するための基礎データを取得した.ステレオ映像視聴時の疲労の原因となると考えられる視覚機能の不自然さのうち,調節・輻輳の矛盾を実際に測定するための装置改良を引き続き行い,調節応答とくにその動特性の測定を行った.同時にその個人差を考える上での調節/輻輳機能のリンクの強さ(AC/A比,CA/C比)測定などの実験を行い,両者の結びつきに関する知見を得た. 映像酔いに関しては,ステレオ映像と同様な主観評価を行い,共通の物差しで両者の比較を行えるような試みを行った.また,映像酔いの基礎として,広視野運動刺激による視覚刺激の運動認知時の瞳孔反応を測定した.
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