研究概要 |
子育てネットシステムについては,発達記録に主成分分析を適用する手法を提案し,大阪府内のA保育所における社会実験によって有効性を検証した.ただし,現状の発達記録では年度当初にほとんどの項目の記録が「できる」になってしまうため,そのままでは主成分分析にはなじまない.そこで,子どもの発達に適合して発達項目を切り替えるシステムを更に提案・開発して実務に適用・評価した. センサ融合型行動分析システムについては,ライフ・レコーダ(日立製作所AirSENSE)を子どもに持たせて,これに複数のステレオカメラから得た情報を統合することにより,室内の子どもの位置を検出するロバストな手法を提案した.また,このAirSENSEを30名の子どもに装着してもらいB幼稚園の1日のライフログを取得し,ライフログから,子ども達の交友関係を高精度に検出する手法を提案した.これにより,AirSENSEを用いて,子どもの室内における位置を検出したり,あるいは,仲間関係を自動的に抽出する見通しを得た. これらの成果は,ジャーナル論文5件(情報処理学会4件,人工知能学会1件)のほか,学術的国際会議(フルペーパー査読5件,アブストラクト査読4件)において報告しており,その先導性を国内外ヘアピールできたと考える.また,上記のシステム開発は,すべて,PBL(Project Based Learning)によって行っており,技術者養成方法論の研究の観点からも先導性がある.PBLに関する先駆的取り組みについては,情報処理学会主催のPBLコンテスト(ISE CON2008)において,先進教育賞を受賞した(2009.3).
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