研究概要 |
最終年度として子育て支援ユービキタスシステムの総括的研究を行った.主要成果を以下に示す. 【子育てネットシステム(発達記録システム)】 発達段階に応じて動的に発達項目が変わるシステムについて,保育園での運用を継続した他,6園で発達記録の作成を行い,一定の条件はあるが,園の特徴を抽出できることを初めて示した.判別には,デシジョンツリーなどのノンパラメトリック統計を利用した.幼児教育分野でも,我が国初の成果と考える.今後の保育行政にも資する技術である. 【子育て支援ユビキタス技術】 3Dステレオカメラ,3軸加速度センサを用いた,集団読み聞かせ分析支援システムを構築し,2つの幼稚園で社会実験を行った.その結果は,従来は抽出困難であった子ども達の間の笑いの伝搬や細かい視線データ分析が,特別の機器を子ども達に装着させることなく,測定可能であることを示した.情報処理技術・幼児教育の両分野で初の試みであり,今後,読み聞かせ研究に適用・発展させてゆきたい. 幼児教育養成校の保育実習を支援するためのシステムに関しては,1)マルチ・エージェント・シミュレーション技術とマンガを用いた,保育実習支援ツール,2)4台の3Dステレオカメラによって保育者と子ども達の位置を自動的に解析するシステムのプロトタイプを構築した.今後は,実社会適用して,その有効性を確認してゆきたい. 尚,本年度中に,情報処理学会優秀教育賞,及び情報処理学会全国大会学生奨励賞2件を受賞.
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