研究課題
物体名を告げただけで確実にその物体を認識できる計算機による物体認識の実現は困難である。そこで、本課題では頼んだものを取ってきてくれるような介護ロボットへの利用を想定して、依頼した物体が認識できないときには対話を通じて物体を認識できるようにする方法を研究する。ただし、常に対話をしなければならないシステムではユーザに受け入れられない。そこで、まず自動でシーン中の物体をあらかじめできるだけ認識しておき、依頼された物体がその認識結果にない場合に対話処理に入るシステムを検討した。昨年度、複数の色が使われている物体でも人間は多くの場合、その物体の地の色あるいは最夫面積の色の1色で指示を行うことがわかった。また、既知の物体との空間位置関係を用いることも多いことがわかった。今年度は、この色と空間位置関係の対話を状況に応じて使い分けるシステムを検討した。基本的には、シーン中に多くの色の物体があれば、色について聞き、自動物体認識で多くの物体が認識できている場合は、その物体名をロボットが告げ、それとの空間位置関係を聞くという方式を考案した。そして、実験により、平均的に少ない対話回数で物体が認識できることを確認した。また、移動ロボットを購入し、それに腕や頭部を製作して取り付け、ロボットシステムを開発した。今後は、このロボットにこれまでに開発した認識法をさらに改良したものを実装し、実際的な条件での実験を進めて有効性を実証していく予定である。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)
D. Monekosso, P. Remagnino, and Y. Kuno (eds.), Intelligent Environments: Methods, Algorithms and Applications, Springer
ページ: 191-210
IEICE Trans. Information and Systems Vol.E91D
ページ: 1793-1803
ページ: 1906-1913