研究課題/領域番号 |
19300062
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
黄瀬 浩一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80224939)
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研究分担者 |
岩村 雅一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80361129)
馬場口 登 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30156541)
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キーワード | 近似最近傍探索 / 局所特徴量 / 画像認識 / 物体認識 / SIFT / 著作権保護 / GPU / 多段階化 |
研究概要 |
研究初年度である本年度は,静止画を中心として大規模高速画像認識技術の以下の側面について研究を行った. 1.局所記述子計算の高速化:GPU(Graphical Processing Unit)を用いて、局所記述子の計算を高速化する方法を考案した. 2.PCA-SIFT等の局所記述子を用いた物体認識の限界の把握: 様々な局所記述子を比較検討するとともに、10万画像を用いた認識実験により、個々の局所記述子の照合精度と物体認識率の関係を明らかにした.その結果、PCA-SIFTを記述子として用いた場合、局所記述子の照合精度がそれほど高くなくても、物体認識としては高い認識率が達成できることが明らかとなった.例えば、局所記述子の照合精度が15%程度あれば、98%以上の物体認識率を得ることができる. 3.識別器の多段階化による高性能化:2.で検討した物体認識装置の近似パラメータを段階的に変更し、縦列接続することによって、メモリ効率や認識率を殆ど下げることなく、高精度な認識を実現できることを示した. 4.静止画の認識に対する理論的基盤の検討:2.の理論的基盤を構築した.具体的には2.の現象を説明するモデルとして、2項分布を基本とした投票モデルを構築し、それが実測値とよく合うことを示した. 5.大規模実験による検証:大規模ファイルサーバと計算サーバの環境を整え、大規模実験が可能な環境を構築した. 6.動画のインデクシングと検索に関する基礎的検討:SIFT特徴量を用いた動画のインデクシングの基礎的検討を行った. 7.著作権保護分野への応用:大規模高速画像認識技術を、画像の著作権保護に用いる方式を提案した.具体的には、大規模原本データベースを用いて、著作権を侵害している可能性のある画像を高速に検索するとともに、原本との照合によって、幾何学的変換が加えられた画像からでも電子透かしを安定的に取り出す方式を提案した.
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