研究課題/領域番号 |
19300063
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
誉田 雅彰 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90367095)
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研究分担者 |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
小林 哲則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30162001)
匂坂 芳典 早稲田大学, 大学院・国際情報通信研究科, 教授 (70339737)
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キーワード | 音声生成 / 声質 / 声帯振動 / 発声機構 / 笑い声 / しゃべり笑い / 音響流体計測 / 機械モデル |
研究概要 |
本年度は、音声の感性情報の生成機構について、「笑い声」と「しゃべり笑い」を対象とし、人間の音声生成時における音響流体計測と発話ロボットを用いた音声生成の両面から検討した。 「笑い声」は音声による感性表出の中でも、その生成過程が生理的要因によって支配され、主として喉頭と肺の周期的な動作とそれに伴う音響流体現象によって生成される音声である。本研究では生成的側面からその生成メカニズムの解明を目指した。「笑い声」発声時の音響空気流体計測から肺の空気流量と声帯の開閉調整量および声帯張力を推定する方法を考案し、それを元に発話ロボットを用いて「笑い声」 の生成を試みた。その結果、生成パラメータの比較的簡単な規則を用いて「笑い声」の生成が行えることを確認した。 一方、「しゃべり笑い」は生理的要因の強い「笑い声」と随意的な音声器官の運動を伴う「発話」が混在した発声であり、特に喉頭制御に関する「笑い」と「発話」の間での協調動作に焦点を当てて検討を行った。今回は無声子音と母音の音節からなる単語を対象として、「しゃべり笑い」発声時の音響流体計測を行い、ピッチ周波数、空気流量、無声音継続時間を特徴量として通常発話から「しゃべり笑い」発話に変換する規則を見出した。また、その規則に基づき、発話ロボットによる「しゃべり笑い」の生成を試みた。今後は、喉頭の制御に関して、「笑い声」と「発話」が競合する発話内容について、その制御規則を明らかにし、その有効性を発話ロボットによる音声生成実験により検証してゆく予定である。 また、発話ロボットに関しては、唇子音の生成に向けた口唇部の改良、音響的な音漏れを防ぐための口蓋汎機構部の改良、声帯振動の閉鎖区間増大を目指した声帯部の改良などを進めた。
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