研究課題/領域番号 |
19300066
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
喜多 泰代 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (00356875)
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研究分担者 |
喜多 伸之 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (90356874)
植芝 俊夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20356546)
NEO Ee Sian 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (20443210)
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キーワード | ロボットビジョン / 柔軟物ハンドリング / モデル駆動型画像処 / アクション連動 / ヒューマノイド / ステレオビジョン / 広視野視覚 / 変形モデリング |
研究概要 |
平成21年度は、以下の2点を中心に研究を行った。 1.「衣類モデルを核とする特定部位把持手法」 昨年度までに開発した、変形可能な衣類モデルを用いるモデル駆動型衣類状態推定法に基づき、片手で空中に把持した衣類の特定部位をもう片方の手で掴み上げるために必要な情報を自動算出する手法を開発した。ヒューマノイドを用い、様々な状態で把持したトレーナに対してこの手法を適用し、把持動作のためのハンドの理想的な位置と姿勢が多様な状況となることを明らかにした。この実験を通じ、衣類の状態から算出されたハンドの理想動作計画を、ロボット側の制約を考慮して実現可能な動作計画に最適化する課題の重要性をその仕様とともに明確化した。また、いくつかの状態で把持動作を実現し、算出された理想動作計画の実有用性を確認した。 2.「アクションを活用した状態推定性能の向上」 対象衣類の状態によっては、目標タスクの遂行に必要な観測情報が十分に得られない場合がある。このような場合に、情報を得るためのアクションを行い、能動的に必要情報を取得する研究を行った。昨年度までの実験結果の分析により、対象衣類の深い折れが推定を難しくする主要因であることが判明しており、このような場合を自動判断し、衣類を押し広げるためのアクションを自動生成する手法を開発した。把持しているハンドとの干渉問題など、いくつかの課題を明らかにするとともに、そうした問題が解決すれば、この戦略が有効に働くことを複数の実験で確認した。 また、上記実験を行う過程で、昨年度までに構築した広視野カメラシステムを用いた手元の状況観察データ、リアルタイム3眼ステレオシステムでの時系列3D情報のデータ収集を行い、動的で広範囲な視覚情報獲得技術および獲得したデータの活用技術の開発を開始する準備を整えた。本プロジェクトの最終年度として、このプロジェクトで得られた技術を示すデモビデオを作成し、WEB公開した。
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