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2009 年度 実績報告書

ヒトの作業計測と機械による機能実現を通じて 手の巧みさのメタ理解

研究課題

研究課題/領域番号 19300068
研究機関京都大学

研究代表者

横小路 泰義  神戸大学, 工学研究科, 教授 (30202394)

キーワードロボットハンド / マニピュレーション / スキル / 柔軟物操作 / 作業教示
研究概要

本研究の目的は,「巧みさ」が必要とされる作業として「折り紙」を具体的に取り上げ,ヒトの手による作業を仔細に観察し,その作業の本質的機能を抽出した結果を基に同じ機能を実現できる機械を工学的に創生することで,「手の巧みさ」の本質的理解を目指すことである.本年の研究実績の概要は以下の通りである.
(1)複数センサ情報に対応したロボットシステムの構築
前年度までに開発した折り紙ロボットシステムにおいて,既に装着している微小力センサに加えて,さらに別の指用の微小力センサを設計製作し,2本の指先からの情報を取り込めるようにロボットシステムを拡張した.
(2)ヒトの直接教示の履歴に基づく環境の不確かさへの対処手法の確立
前年度で検討したヒトの直接教示データから紙の挙動の不確かさへの対処法を自動的にモデル化する手法を拡張し,正準相関係数による重みを導入することで,センサフィードバック則をセンサ信号と修正動作と相関が高い方向にのみ適用でき,かつその重みが滑らかに変化するようにした.また複数のセンサ情報と複数の制御参照点がある場合にか対応可能とした.また実験により,拡張された手法の有効性が確認された.
(3)研究のまとめとマニピュレーション知のメタ理解
これまでの成果により,折り紙を題材としてヒトの直接教示の履歴に基づく環境の不確かさへの対処手法が確立され,ロボットによっても失敗せずに折り紙を折ることが可能となった.これらの成果から,「手の巧みさ」とは,失敗のなるべく起こらないようなノミナルな目標軌道を設定することと,そのノミナル軌道の周りにおいて環境の変動に対応するようなセンサフィードバック則を適用できることである,ということができる.これは,折り紙作業によらず,かつ人間,ロボットに関わらず言えることであり,一種のメタ理解であると言えよう.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 人間の直接教示動作の統計的性質に基づいた折り紙ロボットの目標軌道とセンサフィードバック動作生成法2009

    • 著者名/発表者名
      田中健太, 木原康之, 横小路泰義
    • 雑誌名

      日本ロボット学会誌 27(4)

      ページ: 685-695

    • 査読あり
  • [学会発表] 人間の直接教示動作に基づく複数センサによるセンサフィードバック則生成法2009

    • 著者名/発表者名
      木原康之, 横小路泰義
    • 学会等名
      第10回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集
    • 発表場所
      芝浦工業大学(東京都)
    • 年月日
      2009-12-24
  • [学会発表] 人間の直接教示動作の統計的からのロボットへの作業スキル移植 -折り紙動作を題材として-2009

    • 著者名/発表者名
      木原康之, 横小路泰義
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告 Vol.109, No.83
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2009-06-16
  • [学会発表] Desired Trajectory and Sensory Feedback Control Synthesis for an Origami-folding Robot based on the Statistical Feature of Direct Teaching by a Human2009

    • 著者名/発表者名
      Kenta Tanaka, Yasuyuki Kihara, Yasuyoshi Yokokohji
    • 学会等名
      2009 IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA 2009)
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2009-04-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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