研究概要 |
(1)適応的ロボットハンドの試作 適応的な把持,操りが可能な人間型柔軟ロボットハンドを試作した.試作したハンドは, ●ワイヤによる干渉駆動を利用し,対象物になじむような動作を実現できる, ●受容器(ひずみゲージ,PVDFフィルム)が内蔵された人工皮膚に覆われている, ●ワイヤによる拮抗駆動を利用し,また空気圧シリンダによって駆動されるので関節に自然な柔軟性が存在する, などの特徴を持つ.また人間の手に非常に類似した外見を持つ. (2)適応的ロボットハンドによる物体の識別 試作したロボットハンドによって,握った物体の識別を行った.物体の握りの初期の姿勢によって受容器で得られる信号は大きく変化するが,繰り返し把持しなおすことによって,対象が持つ安定な姿勢へと収束することを利用し,安定なセンサ信号をもとに物体を識別することに成功した. (3)伝熱を利用した温度感覚の実装 ハンドの認識能力を高めるために,指先に温度センサを装備し,また指の内部に熱源を持つような指先を試作した.これを利用して,対象物との伝熱を計ることによって物体の識別能力を向上させた.指先には,温度センサのほかにひずみゲージ,ひずみ速度センサが内蔵されており,これらを協調して利用することにより,物体との接触状態に依存しない物体の識別を可能とした.試作した指先センサによって,木材,アクリル,アルミニウム,マグネシウムなどの材質を識別できることを確認した.
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