研究課題/領域番号 |
19300077
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
喜多 一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20195241)
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研究分担者 |
谷口 和久 近畿大学, 経済学部, 教授 (80268242)
森 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (90295717)
小野 功 東京工業大学, 総合理工学研究科, 准教授 (00304551)
松井 啓之 東京大学, 経営学研究科, 准教授 (90272682)
池田 心 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (80362416)
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キーワード | 人工市場 / 制度分析 / シミュレーション / ゲーミング / エージェント / 市場の流動性 / 板寄せ / ザラ場 |
研究概要 |
本課題は申請者らが開発を進めてきたエージェントシミュレーションとゲーミングの両手法の混在利用を可能にする参加型の人工市場U-Martシステムを用い、市場制度が持つ市場における流動性供給機能についてシミュレーションを用いた実験的な分析を行うものである。U-Martシステムがこれまで採用してきた市場制度「板寄せ」方式は市場制度としては分かり易いが、現実の市揚では部分的に採用されているにすぎない。そこで市場制度の比較分析を実施するために、日本の証券市場で標準的に用いられている「ザラ場」方式と比較対象として「マーケットメイカー方式」についてU-Martシステムを拡張する形でモデル化と人工市場システムの設計・実装を進めている。平成19年度は、主として「ザラ場」方式のシステム開発に重点におき研究を進めた。そして、授業実践の場などを利用してザラ場方式の人工市場システムについて、被験者を用いた参加型シミュレーションを実施し、人工市場システムの安定性、スケーラビリティ、ヒューマンインターフェイスなどについて評価した。その結果、ザラ場方式のU-Martシステムは従来の板寄せ方式に比べ、通信量なども多くサーバ負荷も高いが、構築しているシステムは十分に今後の研究のプラットフォームとして機能することが実証された。また、参加型シミュレーションにおいて、ザラ場市場は被験者への取引操作の負荷が高いことも判明し、被験者を支援するユーザインターフェイスの開発にも平行して取り組んだ。
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