研究概要 |
1 身体内部モデルに基づく身振り認識アルゴリズムの改良(立体視,バイオロジカルモーション知覚の応用) 身振り認識の対象者を決定するために,まず顔検出・認識(照合)を行うが,通常の顔検出法に加えて,人物同士が重なったり,対象人物が動いたときに顔を見失わないように,テンプレートマッチングによる顔の追跡と顔照合のためのエラスティック・グラフ・マッチング機能を組み合わせて使用する手法を追加して,ロバスト性を高めた. 身振り認識を,大人から子供まで身体の大小にかかわらず精度良く実現するには,顔位置から肩の位置を正確に推定する必要がある.そのため,ステレオ視により推定した対象人物までの距離,およびカメラの俯角もしくは仰角から対象人物の身長を推定し,それによって肩位置を推定する方式を開発した.これにより腕身振りの認識精度を向上した.腕姿勢認識の精度については,様々な条件下での実験から,認識誤差は角度のずれで9.1度となり,実用的に十分な精度が得られることがわかった.また,背景,対象人物の服装の違い,オクルージョンにもロバストな認識が行えることを確認した.バイオロジカルモーションの工学応用として,腕の振りの検出と足の動きによる歩行の検出を時空間ガボールフィルタにより実現した. 2 統合集積システムの構築 統合集積システムとして,ガボールフィルタLSIと他の視覚処理用LSIを併せてFPGAで制御し,それらをPCと結合するシステムを構築し,各種視覚LSIを共通で制御できるシステム構成法を確立した.また,視覚の重要な機能である大局的領域分割について,スパイクパルスを用いた高速版領域ベースMRFモデルの簡略化を行い,それを実行する1次元画素アレイの集積回路を設計し,小領域の平滑化と大局的領域エッジ保存の機能を同時に実現できることを試作LSIの測定により確認した.
|