研究課題
本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。この目的に沿って、大学図書館における情報サービスと情報資源管理の研究という観点から研究を行った。大学図書館における情報サービスについては、情報サービスの定量的な分析としてこれまでに実施してきたNACSIS-ILLのマクロな分析を踏まえて、雑誌タイトル毎の需給関係を明らかにするための集計、分析をさらに進めた。電子的情報サービスの状況について理解するための二次情報サービス機関や電子的全文提供サービスを実施する機関への聞き取り調査の結果を踏まえ、一次情報の電子化による文献の入手可能性の変化とILLに現れる文献需要の関係を明らかにするために、新たに構築した、文献需要に変化をもたらす要因を理解するための理論的枠組みに沿って分析を行った。その結果、一次情報の電子化と二次情報サービスの拡充がILL需要の減少と増大にそれぞれ影響していることが実証的に明らかになった。情報資源管理については、すでに明らかにしていた、近年の外国語資料の登録件数の減少現象にかかる要因について、これまでのデータ収集と聞き取り調査を踏まえて考察を深めた。これらを踏まえ、今後の大学図書館の将来像について、シンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得た上で「2020年の大学図書館像」と題した提言をまとめた。
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