研究課題/領域番号 |
19300090
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
堀川 順生 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50114781)
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研究分担者 |
新谷 益朗 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (60171071)
杉本 俊二 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (50422811)
堀畑 聡 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (20238801)
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キーワード | 聴覚空間選択的注意 / fMRI / ERP / ERMF / オドボール課題 / ヒト / 位相同期 |
研究概要 |
聴覚空間選択的注意の脳機構について、ヒトの事象関連脳電位(ERP)、事象関連脳磁界(ERMF)およびfMRI計測を行い、脳活動成分の時間的特性と空間的分布について解析した。本年度はfMRI計測(Philips、1.5T)により活動の空間的分布を調べた。また、ERPおよびERMF計測による結果との比較対照を行った。さらに、EEGの位相同期性についてPhase locking value(PLV)の指標を用いて調べた。fMRI計測では、聴覚空間選択的注意時に上側頭皮質、上頭頂皮質、上前頭回、外側前頭皮質、前島で活動の増大が見られた。注意時に現れるERPのP600成分は外側前頭部から側頭部に分布し、N300は前頭極部に、P200は外側前頭皮質から上頭頂皮質および上前頭回にかけて分布する。P600は外側前頭皮質・上側頭皮質の、N300は前島の、P200は外側前頭皮質・上頭頂皮質・上前頭回の活動を反映していると推察される。前島は注意の割り当てに、上前頭回はタスクスイッチングや注意対象の変更に関係するということが先行研究から示唆されている。今回用いた両耳分離聴オドボール課題では、音の持続時間と左右方向の二つの対象を判断する必要があった。計測結果は、聴覚空間選択的注意の機構として、無関係な注意側に対する活動を抑制するプロセス(P200)と、入力された非注意刺激を抑制するプロセス(P600)があることを示唆する。また、上側頭皮質の活動の増大は、聴覚空間選択的注意に高次聴覚皮質が関わることを示唆する。領域間の位相同期性をPLVの指標を用いて調べると、聴覚空間選択的注意時に、前頭-頭頂、前頭-側頭、側頭-頭頂間で位相同期性の増大が観察された。
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