研究課題
われわれはこの世界をどのように認識しているのか。この問いに口えるために表象形成の多様性、多重性、多層性という観点から、大型類人猿を中心としたヒト以外の霊長類や鯨類を対象に比較認知発達科学というアプローチで研究を進めてきた。今年度も各研究場面でのこれまでの成果を基盤として新たな研究の展開をさらにすすめた。チンパンジーを中心とした研究では、顔認識、視線認識、身体知覚、奥行き知覚、情動認知、注意の問題などについて見本あわせ課題や視覚探索課題を用いて検討を行った。特に本年度は、非拘束型のアイトラッカーを本格的にチンパンジーに導入し、視覚刺激を見ているときの視線計測やトラックボールを用いた認知課題遂行中の視線の計測に成功した。その結果、チンパンジーの視覚情報処理をこれまでとは違う視線の動きという観点から捉えることができた。鯨類での行動・認知研究に関しては、名古屋港水族館、京都大学野生動物センター、東北大学などと連携して研究を展開している。各種鯨類の気質に関する特性論的評価と性格遺伝子との対応、バンドウイルカの視覚認知、ヒト訓練者の識別、視覚的動作サインの弁別、ベルーガおよびカマイルカ乳幼児の行動発達の縦断的観察などを名古屋港水族館の上野友香、斉藤豊、神田幸司、阿久根雄一郎、吉井誠、日登弘、祖一誠各氏らの協力のもと遂行した。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)
Animal Behaviour 79
ページ: 227-235
PLoS ONE 5
ページ: e9131
Biology Letters (Published online)
ページ: 10.1098/rsbl.2010.0120
Experimental Brain Research 202,319-325
ページ: 10.1007/s00221-009-2136-3
ページ: 10.1098/rsbl.2009.0864
Vision Research (Published online)
ページ: 10.1016/j.visres.2010.01.003
Frontiers in Zoology 6:14
ページ: doi : 10.1186/1742-9994-6-14
Animal Cognition 12
ページ: S11-S18
Journal of Comparative Psychology 123
ページ: 280-286
Developmental Science 12
ページ: 446-452
Proceedings of the Royal Society Series B 276
ページ: 1949-1955
Journal of Ethology 27
ページ: 1-10
Infant Behavior & Development 32
ページ: 416-421
Infant Behavior &Development 32
ページ: 422-428
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/100324_1.htm