研究概要 |
本年度は地球環境のリモートセンシングデータに関する判別問題を考察した.地表面をメッシュ状に区切った観測領域において,森林の被覆率を人口密度と土地の起伏量(最高標高-最低標高)で説明する非線形回帰モデルを考察した.まず観測領域の森林割合が1)森林が全くない,2)部分的に森林で被われている,3)完全に森林で被われている,の3つのケースについて,当該領域の人口密度および起伏量から判別するロジスティック型判別モデルを考察した.判別には周辺の観測領域の影響も取り込んだモデルが有効であること,説明変数の巾変換が有効であることを確認した.また森林が全く無くなる原因は周辺領域の影響によるものではなく当該領域で決定されること,逆に完全に森林で被われるのは周辺領域からの影響が大きいことが推定モデルからも説明できることが示された.一方,外生変数をもつ自己回帰モデルのモデル選択とモデル推定について,企業と共同研究を行い,現在特許出願のための書類を作成中である その他の研究として,高次元データを関数化したデータによる動作の判別分析モデルや関数データのクラスタリングについて考察した.また高次元データの2種類のタイプである高次分割表の解析法とテンソルデータ解析法の数学的基礎理論を研究し、高次元分割表においては近傍理論を構築した.なお本研究費も部分的にサポートした研究会:32回Symposium on Remote Sensing for Environmental Sciencesを主催した.Prof.Benediktsson(アイスランド大)によりモルフォロジーを用いた画像判別の最近の発展の報告があり,有意義な研究交流ができた
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