研究概要 |
大規模で高次元なデータのモデル化を助けるための効果的なデータヴィジュアリゼーション環境の確立を目指して,Textile Plotを中心に研究を進めた.具体的な成果は次の通りである. 1.Textile Plotのゲノム解析への適用 DNAシークエンスの解析にTextile Plotが極めて有効であることが判明し,数十万次元でも処理し表示できるアルゴリズムの発見に成功した.その有効性の検証とともに,これまで標準的な方法として広く用いられてきたLD Displayとの比較検討を行った. 2.金融データベースシステムへの展開 ヘッジファンドの収益率を主な対象として,時間を変量に取るTextile Plotと時間ごとに変量を導入するTextile Plotの併用により,その姿を総合的に理解できるシステムをICS FinAnalyzerとして完成させた 3.海洋生物の豊富さ検証への応用 前年に引き続き,オーストラリアのCSIRO(Commonwealth Science and Industry Research Organisation)との共同プロジェクトとして実施した.これまで開発した様々なデータヴィジュアリゼーション手法を用いることにより,海底生物のドレッジデータについては,種ごとの,個体数についてはThomas分布が,重量に関しては確率微分方程式の定常解として現れるガンマ分布が適切であることが判明し,その確証実験を行った.
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